放課後等デイサービスにおける「人事評価制度」の評価項目例

放課後等デイサービスは、発達に特性のある子どもたちの「安心できる居場所」として、また「成長と自立を支える場」として、社会的にも大きな役割を担っています。
この支援の質を高めるためには、職員一人ひとりの専門性とチームとしての一体感が不可欠です。

そこで当事業所では、職員の成長を可視化し、日々の努力を正当に評価するための人事評価制度を導入しています。
この制度は、個人の資質や経験だけでなく、日々の支援の工夫やチームへの貢献、保護者・地域との連携など、多角的な観点から評価を行うことを目的としています。

また、評価は職員の「良し悪し」を判断するものではなく、**成長支援と組織の質向上を目的とした“対話のツール”**として位置づけています。
評価項目は、職種や立場に関係なく、放デイで働くすべての職員が自分の役割を明確にし、成長の目標を持てるよう工夫されています。

以下の項目は、特に放課後等デイサービスの現場において重要とされる5つの視点に基づいて構成されています。

  • サービス・支援
  • 売上・稼働率向上
  • コミュニケーション
  • 利用者集客・促進
  • マネジメント

これらの評価項目を通じて、組織全体で支援の質の向上を目指すとともに、職員一人ひとりが自信と誇りを持って働ける環境づくりを推進してまいります。

【サービス・支援】


個別支援計画の作成と実践力

アセスメントに基づいた目標設定と、それに沿った支援を行えているか。

療育プログラムの企画・実施能力

年齢や発達段階に合った療育内容を自ら考案し、運営できているか。

支援記録の質と記入タイミング

子どもの様子が具体的に記録され、保護者や関係機関と共有できているか。

利用児童の変化に気づき対応できる柔軟性

情緒・行動の変化に気づき、支援方法を調整できているか。

安全管理の徹底と予防行動

事故やケガの未然防止に向けた行動が取れているか。

保護者対応の丁寧さと説明力

子どもの様子や支援内容を分かりやすく、安心感を持って伝えられているか。

外部機関との連携・支援調整力  学校・相談支援専門員などと連携し、支援の一貫性を保てているか。

【稼働率・加算獲得】


児童の出席率・稼働率の維持

通所継続に向けた働きかけを行い、稼働率の安定に貢献しているか。

加算対象支援の実施と記録管理

個別支援加算、機能訓練等の対象支援を適切に提供・記録できているか。

自己負担額の説明・契約時の丁寧な対応

契約・更新時の費用説明などでトラブルが起きないよう配慮できているか。

請求関連の情報提供とミス防止意識

支援記録や日報入力にミスがなく、請求精度に貢献しているか。

非稼働日の活用提案(イベント・学習会等)

閑散期の稼働向上に向けた代替支援案を企画・提案できているか。

他事業所との差別化への意識

他の放デイとの比較を行い、独自の取り組みを発信・強化できているか。

広報物やHP/SNSにおける事業所の魅力発信

情報発信に貢献し、ブランドイメージ向上に寄与しているか。

【コミュニケーション】


児童への適切な言葉がけと共感姿勢

子どもの気持ちを尊重した声かけができているか。

保護者との信頼関係構築力

日々のやり取りから信頼される対応ができているか。

職員同士の報連相の徹底

支援に関わる情報共有が速やかに行えているか。

職員間のトラブル回避・調整能力

対人関係の衝突を防ぎ、調和を保つ行動ができているか。

ミーティングでの積極的な意見・提案

発言を通じて、チームの質の向上に貢献しているか。

子ども間のトラブル対応スキル

対人トラブル時の冷静な判断・介入ができているか。

多職種(保育士・作業療法士など)との連携力

職種の違いを活かしつつ、共通の目的で協働できているか。

【利用者集客・促進】


地域や学校との関係構築の努力

学校・地域とのネットワークづくりに参加・貢献しているか。

見学・体験対応の丁寧さと親しみやすさ

新規利用希望者への対応が安心感を与えるものであるか。

紹介促進の仕組みづくりへの提案

口コミ・紹介が増えるような取り組みを考えられているか。

事業所パンフレット・掲示物の改善提案

広報物の更新や見やすさ・魅力の向上に貢献しているか。

SNS・HP等による広報活動の支援

活動内容を定期的に発信し、関心を高めているか。

保護者からの紹介・推薦を促す信頼関係構築

実際に紹介につながるような信頼づくりができているか。

事例紹介・実績報告資料の作成サポート

成果や実績を分かりやすく発信できるような資料づくりができているか。

【マネジメント】


業務配分の適切さと公平性

スタッフのスキルや負担を考慮した業務分担ができているか。

新人職員へのOJTとフォロー

新規採用者の育成計画に沿って支援できているか。

目標設定と振り返りの習慣化

事業所の年間・月間目標を現場に浸透させているか。

指導・フィードバックの具体性と建設性

後輩・部下への指導が感情的でなく、実践的で前向きか。

課題発見と業務改善提案の実行力

現場課題に気づき、改善案を出し実行しているか。

勤怠管理やシフト調整の的確さ

職員の勤務管理を適切に行い、無理や混乱がないか。

事業所運営方針との一貫性を持った行動

方針・理念を理解し、それに沿った言動・支援ができているか。

care-baseを活用してみよう


事業所では、職員一人ひとりの努力と成長をきちんと評価し、支援の質を高めるために人事評価制度を導入をオススメしています。

この制度は、単なる査定ではなく、職員の強みや課題を「見える化」し、やりがいと働きがいを持って日々の支援に取り組める環境づくりの一環です。
支援内容や業務の質、チームワーク、地域連携まで、多角的な視点から職員を公平に評価し、利用者様へのサービス向上に直結しています。

また、各事業所ごとのマニュアル構築には、福祉業界専門のcare-base(ケアベース)**を活用。現場に即したヒヤリハット・虐待防止・運用マニュアルなど、ローカルマニュアルを登録し引継ぎや情報共有ができ、運営のサポートをしています。

「支援の質は、職員の働きやすさから」
そんな想いのもと、利用者様・保護者様、そして地域の皆さまに信頼される事業所づくりをこれからも進めてまいります。

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